「ひだまりが聴こえる」完成披露、雨男の三津谷亮「“ひだまり”なのにすみません!」

左から三津谷亮、多和田秀弥、小野寺晃良、監督の上條大輔。 (c)文乃ゆき/プランタン出版 (c)2017「ひだまりが聴こえる」製作委員会

文乃ゆきのBL作品を原作とした実写映画「ひだまりが聴こえる」の完成披露プレミア上映会が、本日6月4日に東京・池袋HUMAXシネマズにて行われた。

「ひだまりが聴こえる」は、突発性難聴が原因で周囲とうまくなじめない大学生・杉原航平と、明るく活発で友達思いな佐川太一の関係を描くBL。舞台挨拶には航平役の多和田秀弥、太一役の小野寺晃良、太一の友人・横山智紀役の三津谷亮、上條大輔監督が登壇した。

突発性難聴を持つ青年という難しい役柄に挑んだ多和田は「想像している以上に大変だった」と話す。航平の気持ちに近づくため「駅から家の帰り道とか電車の中で、イヤホンで耳をふさいだ状態で歩いてみたんですけど、しんどかった」と、役作りに苦労したことを吐露。そして「当たり前のように見えたり聞こえたりしていること感謝しなければと思いました」と真摯に語った。

明るい性格で思ったことを何でも口にする太一とは共通する点も多く「等身大の自分を出せた」と話す小野寺。司会者から「普段から声が大きいんですか?」と問われると「そうですね! 普段もうるさいです」と大きな声で返答する。しかし多和田が「晃良も大きいんですけど、なんせ僕ら(多和田と三津谷)も普段から声がでかいから。逆にボリュームを抑えたりして」と、3人とも声が大きかったと語る。

現在17歳の小野寺とは一回り年が違う三津谷は、共演シーンについて「ひと回り下の子に怒鳴られる経験なんてあまりないので新鮮でした」と述懐。また自身の役柄を「恋のキューピッドなんじゃないかと勝手に思ってますけど」と自慢げに話す。すると多和田に「(自分が)主役だって言ってたもんね!」とつっこまれ、「しー!しー!」と笑いながらも慌てた様子を見せた。

そんな3人やり取りを見ていた司会が「普段から仲が良いんですね」と語りかけると、「楽屋とかでもずっとワイワイしてましたね」と多和田。三津谷も「生産性のある話は何もないんですけど(笑)、僕ら自身はとても楽しい時間を過ごしてて」と語る。また多和田が三津谷のことを「みちゅ」と呼んでいることを指摘され、「呼んでますね。あとはみちゅかみちゅみちゅ、とか(笑)」と楽しげに返すと、会場からは笑いが起こった。

BL作品の実写化について訊かれた上條監督は「初めてのことでしたが、BLというジャンルにこだわらず、優しく心温かい原作をみんなでどう体現してていこうかと考えた」と述べる。また撮影現場で多和田、小野寺、三津谷の仲の良さを見て「あまりにも仲がいいから『お、もういいじゃん。やることないじゃん』て思った」と振り返った。

さらに上條監督が「撮影中はずっと雨が降っていて、4日間で1日だけ晴れたんです」と、雨続きだったことを明かすと、三津谷が「撮影に入る前に『僕は雨男なんですけど』って言ったら的中しちゃった。“ひだまり”なのにすみません!」と笑顔で謝罪。すると「『ひだまりが聴こえない』って現場でみんなでよく言ってました」と多和田が続け、観客の笑いを誘った。

最後の挨拶で、多和田は「BLに普段触れることがないので、最初にお話を聞いたときは不安があった。でも人が惹かれ合ったりすることに性別とかハンデとかって関係ないんだなと改めて実感させていただいた。メッセージが皆さんの心に届いて、生きていく過程のなかでプラスになればいいなと思う」と感想を述べる。そして上條監督が「撮影中、この3人の続きが見てみたいと思いながら撮っていた。皆さん宣伝していただいて、1人でも多くの方に劇場に足を運んでいただきたい」とメッセージを送り、舞台挨拶を締めくくった。「ひだまりが聴こえる」は6月24日より池袋HUMAXシネマズほか全国で順次ロードショー。

(c)文乃ゆき/プランタン出版 (c)2017「ひだまりが聴こえる」製作委員会